第293章

天瀬姫奈がパーティーに姿を見せるなら、必ず狙いがある。

 島宮奈々未はすぐさま身を翻した。ちょうど夏目冬馬と夏目秋生が近づいてくる。

「天瀬姫奈が来てる可能性が高いわ。急いで海人と太郎を連れ戻して」

 その言葉に、二人の表情が引き締まる。

「義姉さん、ご安心ください。すぐ連れ戻してきます」

 島宮奈々未は丹羽光世のもとへ早足で戻り、声を落とした。

「さっき……天瀬姫奈を見た気がするの」

 丹羽光世は眉を寄せる。

「川崎正弘に処理させる」

 今の彼は、その場を離れられない。

 丹羽光世はホールを見渡したが、川崎正弘の姿が見当たらない。

「奈々、川崎を見なかったか?」

「...

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